2025/09/24
越境EC
トランプ関税“再来”でも売れる!日本企業がアメリカ越境ECで勝てる理由とは?(後編) 3分で読めます
トランプ関税“再来”でも売れる!日本企業がアメリカ越境ECで勝てる理由とは?(後編) 3分で読めます

目次

  1. アメリカ向け決済・通貨・売上税の理解
    1. アメリカで主流の決済手段とその導入
    2. 通貨の選択と表示方法
    3. アメリカのSales Tax(売上税)とは?
    4. ネクサス(Nexus)の考え方
    5. 越境ECでSales Taxをどう扱うべきか?
  2. 法規制・ラベル表示などの販売ルール
    1. 製品ラベルと表示に関する規制
    2. 知的財産権・商標・著作権の確認
    3. 消費者保護法と返品ポリシー
    4. 輸入規制・禁止品目への対応
    5. プライバシーとデータ保護のルール
    6. 法令対応は「売り手の責任」
  3. 成功事例に学ぶ!売れている日本企業の戦略
    1. 実際に売れている商品ジャンル
    2. 差別化のカギは「情報発信」と「現地理解」
    3. 少ないリソースでも成功する仕組みづくり
  4. SEO・SNSを活用したアメリカ市場での集客術
    1. 英語SEOで押さえるべき基本
    2. インスタグラム・YouTubeを使った認知拡大
    3. 現地インフルエンサーやレビュー戦略の活用
    4. 集客は「施策」ではなく「仕組み」
  5. アメリカ向け越境ECを始めるためのチェックリスト
    1. 越境ECスタート前に確認すべき10の項目
    2. チェックリストを無料でダウンロード
  6. まとめ ~アメリカ向け越境ECの第一歩を、自信をもって踏み出すために~

 

アメリカ市場における越境ECは、商品の魅力だけでなく、配送のスピードや返品対応、決済方法、そして法規制への理解も成功の鍵を握ります。

本記事の後編では、アメリカ向け越境ECを実践する際に欠かせない物流オプションや通貨表示・税制の基礎、現地で信頼を得るための法対応、さらに売れている企業の共通点を紹介。

最後には、はじめての越境ECを着実に進めるためのチェックリストもご用意しました。
すでに市場に挑戦している方も、これから踏み出そうと考えている方も、ぜひ実践的なヒントを手に入れてください。

 

▶ 前編をまだ読んでいない方はこちらから: [なぜ今アメリカ市場なのか?日本企業が知っておくべき越境ECの最新事情と始め方(前編)]

 

1. アメリカ向け決済・通貨・売上税の理解

越境ECを行ううえで、「どんな商品を売るか」と同じくらい重要なのが「どうやってお金を受け取るか」です。とくにアメリカ市場では、決済手段・通貨の扱い・税制など、日本と異なるルールや慣習があるため、事前にしっかり把握しておかないと、顧客の離脱や法令違反につながる可能性もあります。

アメリカ向け越境ECにおいて必須となる3つの視点、「決済」「通貨」「Sales Tax(売上税)」についてわかりやすく整理します。

1-a.  アメリカで主流の決済手段とその導入

アメリカのECユーザーが最も利用している決済方法は以下の通りです:

  • クレジットカード(Visa, Mastercard, American Express)
  • PayPal
  • Apple Pay / Google Pay
  • デビットカード / プリペイドカード
  • Buy Now, Pay Later(後払い決済:AffirmやKlarnaなど)

 

これらのうち、特にPayPalは越境ECで信頼度が高く、導入を強く推奨される決済手段です。
理由としては、消費者保護が強化されており、英語に不安のある事業者でもトラブル対応がしやすいことが挙げられます。

クレジットカード決済に関しても、StripeやShopify Payments、Squareなどの越境対応決済ゲートウェイを導入することで、アメリカの主要カードブランドに対応できます。

導入時の注意点:

  • 「日本発行の決済ゲートウェイでは米国のカードが通らない」こともあるため、越境決済に対応したサービスか必ず確認する
  • 為替手数料や決済手数料のコストも計算に入れる
  • セキュリティ対策(PCI DSS準拠など)を満たしておくこと

 

1-b. 通貨の選択と表示方法

アメリカ市場で商品を販売する場合、価格表示を**「米ドル(USD)」にすることが非常に重要**です。日本円のままだと、消費者は「いくらか分からない」「為替が不安」と感じて離脱するリスクが高まります。

理想的な対応:

  • ECサイト上では米ドル建てで価格表示する
  • 通貨変換機能付きのカートシステムを導入する(Shopifyなどでは自動切り替え機能あり)
  • 為替変動に備えて価格に一定のマージンを含めておく
  • また、通貨単位だけでなく、**価格の見せ方(例:$10.00ではなく$9.99)**もアメリカ市場に合わせて最適化することが望まれます。

 

1-c. アメリカのSales Tax(売上税)とは?

アメリカでは、消費税にあたる「Sales Tax(売上税)」が州ごとに異なるルールで課税されます。連邦政府としての消費税制度はなく、各州・郡・市が独自に税率を定めており、その組み合わせによって実際の税率が変わるのが特徴です。

越境EC事業者が注意すべき点は、「どのタイミングでSales Taxの徴収義務が発生するか?」という点です。

 

1-d. ネクサス(Nexus)の考え方

アメリカでは、ある州に「ネクサス(事業上のつながり)」があると判断された場合、その州での販売に対してSales Taxの徴収・納付が義務づけられます。

ネクサスの判断基準には以下があります。

  • 一定額以上の売上/取引件数(例:年間売上10万ドル or 200件以上)
  • 倉庫・在庫拠点の有無(FBAなどを使って現地倉庫に商品を置いている場合)
  • アメリカ国内スタッフや営業活動の有無

Sales Taxの対応義務が生じた場合には、その州の税務当局に登録し、定期的に納税する必要があります。

 

1-e. 越境ECでSales Taxをどう扱うべきか?

初期段階で販売規模が小さい場合は、Sales Taxの徴収義務がないケースも多いですが、販売が拡大していくにつれて対応は避けられなくなります。

対応方法の例:

  • Shopify Tax、TaxJar、Avalaraなどの自動計算ツールを導入する
  • FBAを使っている場合はAmazonがSales Taxの徴収・納税を代行してくれるケースもある
  • 税理士や専門コンサルタントと連携し、法的リスクを回避する

決済・通貨・税制は、売上に直接関わる重要な要素であると同時に、信頼される販売者としての信用力を左右するポイントでもあります。 アメリカの消費者にとってストレスなく購入できる環境を整えることが、越境EC成功の第一歩です。

 

 

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