2024/10/09
事例
だんじり彫刻の技術を世界へ~木製品を企画・製造・販売するブランド「RIJINDA」を展開する木彫前田工房がZenPlusを導入~ 1分で読めます
だんじり彫刻の技術を世界へ~木製品を企画・製造・販売するブランド「RIJINDA」を展開する木彫前田工房がZenPlusを導入~ 1分で読めます

「世界市場に挑戦していきたい」そう語るのは、だんじり彫刻に留まらず、木製品や木工品の制作を行う木彫前田工房の前田氏。

株式会社木彫前田工房では、だんじりの仕事が減少していく中、海外市場に活路を見いだすしかないと考えていました。今年からアメリカやフランスへの進出を開始し、現地のお土産屋さんでの取り扱いも始まっています。越境ECモール「ZenPlus」の導入により、市場をさらに広げ、BtoCの展開も加速させていきたいと考えています。代表取締役の前田氏にお話を伺いました。

 

 

ー  この事業を立ち上げた経緯はどのようなものですか?

株式会社木彫前田工房は、大阪市内を拠点に、大阪南部に特化しただんじり彫刻を手がけています。幼少期から地元のだんじり祭に親しみ、21歳で職人の道に入りました。10年間の修行を経て独立し、岸和田で12年間、個人事業主として活動してきました。その後、だんじりの世界に留まらず、木製品や木工品の制作にも幅を広げ、2019年に法人化。岸和田を離れることを決意し、「今までの考えから振り切ったほうが面白くなる」と感じ、大阪市内に株式会社木彫前田工房を設立しました。

だんじりは7~80年に一度修復が必要な品ですが、平成の間に大阪のだんじりはほぼ新しくなり、仕事が減少してきました。また、少子化やコロナ禍の影響で、仕事が減少する兆候を肌で感じていました。

 

 

ー  RIJINDAの枡、本当に素敵ですね。なぜこの事業を立ち上げたのですか?。

新たな事業への挑戦は、大阪産業局が主催する「大阪商品計画」(大阪プロダクトエコシステム創出事業)への応募から始まりました。締め切り2日前の応募にもかかわらず、前田氏は8期生に選ばれ、アドバイザーの指導を受けながら商品開発を進めました。

2017年頃からだんじりの仕事が減少し、海外市場に活路を見いだすしかないと感じていました。2019年にコロナ感染症拡大前のドバイを訪れ、高い評価を受けました。この経験により、自分たちの方向性が間違っていないと確信します。

また、日本酒の輸出市場が伸びていることに注目し、ワインの100分の1の規模ではあるものの、日本酒市場には今後大いに成長の余地があると考え、半年間をかけて新商品「枡」の開発に取り組みました。

だんじりの部品、特に事故などで壊れる部品は多く必要となりますが、単価が安いため、日本国内での製造が難しく、これまでは海外に製造を依頼していました。そこで、製造の機械化を検討し、助成金を活用して機械を購入。これにより、部品だけでなく、コースターや枡の量産体制を整えることに成功しました。

現在、枡などは大阪のだんじりをルーツとした木彫りの技術と融合して生まれたプロダクト「RIJINDA」として展開しています。

アメリカやフランスを今年から開拓しており、スペインではアート作品として賞を受賞しました。ロサンゼルスでは春に、ニューヨークを拠点とするアート組織団体の作品展に3点を展示。その際に升を持参したところ、ギフトショップが商品を取り扱ってくれるようになりました。

 

 

ー  ZenPlusを導入した背景は何だったのでしょう?

木製品の輸出は配送が難しく、国によっては制限があるため、個人で対応するのは非常に困難です。そこで、ZenPlusのような越境ECプラットフォームを利用することで、こうした課題を解決できると感じました。

ZenPlusの魅力は、初期費用や月額費用がかからない点です。売れるまでリスクを抑え、実際に商品が売れたタイミングでコストが発生する仕組みは、とても魅力的です。

また、海外の取り扱い店にショップカード(※)を置いてもらうことも検討しています。これにより、現地の店で取り扱っていない商品も、ZenPlusを通じて購入してもらえるようになります。

(※)ショップカードの大きさは、標準的な名刺サイズ(55mm×91mm)。

 

カードにはお店のロゴ、QRコードが記載されています。スマートフォンでコードを読み込むと、ZenPlus商品情報ページを閲覧、すぐに購入することができます。A4サイズのチラシといった大きなサイズだと保管が難しく、捨てられる可能性が高まります。名刺サイズであれば、財布に入れておけるので持ち歩きに便利で邪魔にならず、保管がしやすくなります。商品を購入した際にレジにてお渡しする、もしくは展示して自由に手に取ってお持ち帰りいただきます。

※「QR コード」は(株)デンソーウェーブの登録商標です

 

 

ー  どのような企業の方にZenPlusをおすすめしたいですか?

越境ECに取り組む企業にとって、ZenPlusは非常に有益です。輸出はハードルが高く、手続きや規制への対応が大変ですが、ZenPlusは輸出業務を代行してくれるため、大きなメリットがあります。不備やトラブルが発生した場合に自分で対応するのは難しいこともありますが、ZenPlusを利用することで、それらをお任せすることができます。安心して物を製造する本来の仕事に集中できるようになります。

 

 

ー  今後の展望についてお聞かせください。

今後は、特にアメリカ市場向けのBtoBおよびBtoCの展開を加速させたいと考えています。ZenPlusの倉庫に商品を送るだけで、海外のお客様に届けられるため、製造に専念できる環境を整えることが可能です。もともと販売は得意ではなく、システムについても未知の領域だったので、ZenPlusの仕組みは非常に助かっています。

フランスやスペインでの販売もさらに拡大し、今後も販路を広げていきたいと考えています。