「からだに良いものを、安心して飲み続けてもらいたいです」そう語るのは、納豆の加工食品を中心に、原料そのものを活かした食品を開発・製造・販売するそのもの株式会社のジョバンニ氏。
そのもの株式会社が展開する食品ブランド「sonomono」。“本当に、からだにいいものを。”をコンセプトに、農作物や水産物、その地域に受け継がれてきた発酵食品を活かした製品づくりを進めています。
シンガポール、アメリカでの販売は好調ですが、他の地域の方々にもからだにいいものを摂ってほしいという想いがありました。また、自社での国際配送にも課題を感じており、今回越境EC対応化サービス「ZenLink」の導入となりました。海外販売担当のジョバンニ氏にお話を伺いました。
ー この事業を立ち上げた経緯はどのようなものですか?
この会社を立ち上げる前、代表は健康食品のコンサルタントとして10年以上活動していました。様々な健康食品に触れる中で、「健康食品」といっても中に入っているものや添加物を見てみると、飲み続けて本当に大丈夫なものばかりではないと気づきました。そこで、体に良いものを作ろうと、「sonomono」ブランドを立ち上げました。
コンセプトはナチュラル。新鮮なものを、食品の良さを活かしたまま体に摂り入れれば、昔の人のように健康になれる。飲み続ければ元気になると考えています。
ー 事業を進めていくうえで、大切にされているところを教えてください。
からだに良いものを作ると、社会にも良い影響を与え、利益をもたらすと考えています。
日本における大豆の自給率はわずか7%で、ほぼ海外からの輸入に頼っています。様々な日本の大豆を調べてきました。その中で、納豆を作るために最適な、化学農薬や化学肥料を使用せず、遺伝子組み換えしていない大豆を発見しました。現在もその大豆を使用して製品を作っています。
日本では自然食品への意識が低く、ナチュラルな商品を積極的に選ぶ方はまだまだ少ない状況です。手間暇かけて作っても、高値で売る販路を確保したり、安定した収穫量を維持することは難しく、来年以降も安定した収入があるかも不安です。私たちは長期にわたって大豆農家と契約を結び、製品として販売しています。また一緒にイベントを行うなど、農家さんの力をアピールし、継続の後押しをしています。私たちがより多くの人に届けることで、生産者が潤い、地方に仕事が生まれ、人が増えて、その地方の存続に繋がります。
また、自然栽培はからだにとってプラスなだけでなく、地球や環境、動物や植物、人間などすべてのことを考えた生産方法です。地球や人に配慮した優しい農法です。
ー ZenLink導入以前より海外への販売は開始されていたとお伺いしました。
日本だけではなく世界に伝統的な食品の良さを広げたいという思いを持つようになり、私はその思いを形にするべく、2019年にそのもの株式会社にジョインしました。
2019年から海外販売を開始し、シンガポールの伊勢丹にて九州フェアを開催しました。40社程の出店企業の中で売り上げは2番目となり、伊勢丹側から評価をいただき、現在でも販売を継続しています。
2020年には次の市場を探すべく、マーケット調査を始めました。日本の食品に興味があるのはヨーロッパだと分かりましたが、マーケットサイズで考えるとアメリカが有望でした。そこで、Amazon USでお店を立ち上げることとなりました。これは大きなチャレンジであり、様々な法律をクリアするのは大変でした。
コロナ感染症が拡大し「納豆」が着目されるようになり、キーワードの検索数も増え、アメリカでの売り上げも上がってきました。また、ジェトロとAmazonによる「JAPAN STORE」のプロジェクトにも参加しました。
ー すでに海外展開をされている中で、ZenLinkを導入した背景は何だったのでしょう?
こな納豆はAmazon USのビューティーカテゴリにて売り上げ1位と2位を独占し、「そのもの納豆・こな納豆」プロジェクトは内閣府主催の「クールジャパン・プラットフォームアワード2024」で優秀賞を受賞しました。本当に〝いいモノ〟を読者に届ける、辛口評価の雑誌LDKにおいて最高位ベストバイを受賞するなど、多くの評価をいただいています。
自社サイトに英語版を用意したことで、SEO対策にも効果があり、海外の方に知っていただく機会が増えたからか、年々注文は増えております。しかし、自分たちで出荷する際に利用できる配送方法には限りがあり、対応が難しい国もありました。今日発送できていた国も、法律の改定や紛争の問題で、明日には発送できなくなることもあります。船が出航しなかったり、飛行機が飛ばないこともあります。また、新たな国から注文が入ると、まず配送可能かどうかを調べる必要があり、その対応をしている間にお客様の購買意欲が減ってしまうこともありました。
ZenLinkを導入することで、これらの課題を解決し、お客様への対応が効率化されます。これにより、今まで対応できなかったお客様にも対応する時間が生まれ、さらに海外のお客様だけでなく国内のお客様にもより丁寧な対応をする時間が確保できます。
ー 今後の展望についてお聞かせください。
シンガポールやアメリカ以外にも市場を広げたいと考えています。ラテンアメリカでは、大豆の加工食品があまり普及していないそうです。身体が物足りないと感じている方々も多いのではないでしょうか。そういった地域に認知を広げられるといいなと思っています。
ヨーロッパでは法律が厳しく、販売が難しいと感じていますが、健康食品やオーガニックに対する意識が高く、ポテンシャルがある市場だと思います。ZenLinkを通じて、そういった国々の方々にもそのものの商品を手に取っていただきたいと考えています。
また、ZenLink側に改善をお願いしたい点として、海外のお客様と直接コミュニケーションできるようにしてほしいです。どういった理由で商品を選んだのか、どこを気に入ったのか、お客様からそういった声を聞きたいです。商品の中にサンキューレターを入れて、お客様へのアンケートを実施できるような仕組みも検討していただきたいです。お客様の声やフィードバックは宝物です。