スマホが普及をされてからの日本では、気軽にネットショッピングを行い、EC利用率は増加傾向にあります。加えて、コロナ禍の影響でEC化率が高まり、世界的な越境ECの利用金額も増加しています。
越境EC業界は、2030年には4兆8,200億USドルにまで拡大する市場規模になると予測されており、今後ますます発展する業界と言われています。*1
今回は、経済産業省が発表しているデータに基づき、越境EC業界の現状と、巨大なマーケットとなる中国とアメリカの市場についてご紹介します。
目次
1.2022年までの越境ECの成長率
*1・図 出典・参考:経済産業省 | 令和4年度 電子商取引に関する市場調査 報告書
2021年度の日本・中国・アメリカの3か国間の越境ECの市場規模は増加しています。
しかし、2022年の日本の越境ECの購入額は、3,954億円だった一方、中国は5兆68億円、アメリカは2兆2,111億円と、日米中の中では特に日本の購入額が少ない結果となりました。
このうち、中国とアメリカは日本から積極的に商品を購入し、購入額の中でも、中国が日本から購入した金額は2兆2,569億円、アメリカが日本から購入した金額は1兆3,056億円と、2国とも日本経由で購入している金額が非常に多いことがわかります。
この差は、そもそもの購入者層の母数の違いや、日本人の言語による問題、海外のサイトを経由し商品を購入することに抵抗があることが要因と考えられています。
2022年頃から現在まで、日本では円安となっていることや、インバウンドの旅行客がリピート購入をすることで、日本経由の購入額は今後も増加していくと予測されています。
越境ECへの参入を考えている企業は、中国・アメリカの消費者を視野に入れた取り組みを行うことは重要になってくるでしょう。
次からは、中国・アメリカの市場に参入する前の課題として、それぞれの市場の特徴と動向をご紹介します。