2026/05/20
越境EC
越境ECニュース|EUで150ユーロ未満の免税廃止!
7月からのEU向け越境EC戦略を徹底解説 2分で読めます
越境ECニュース|EUで150ユーロ未満の免税廃止!
7月からのEU向け越境EC戦略を徹底解説 2分で読めます

目次

    1. 7月からEU全域で始まる「少額貨物関税」とは?
    2. フランスの2ユーロ課税との二重徴収リスクは?
    3. 「少額貨物関税」開始後のEU向け越境EC戦略は?
    4. 日本の事業者が新たに行うべき対応は?
    5. まとめ|EUの少額貨物関税で対応すべき3つのポイント

 

2026年7月1日より、EUにおいてEU域外からの少額輸入貨物を対象とした新たな固定関税制度が導入される予定です。アメリカをはじめとした少額貨物課税の流れが広がる中、低価格帯の商品を扱う事業者にとって、免税枠を活用した配送モデルを見直す機会になっています。

本記事では制度の背景や条件、関税開始後の越境EC戦略、実務上の対応すべきポイントを分かりやすく解説します。



1. 7月からEU全域で始まる「少額貨物関税」とは?

EU(欧州連合)は現在、EU域外からの150ユーロ(約25,000円)未満の輸入貨物に対する免税枠を撤廃し、一律3ユーロの固定関税を導入する案を提示しています。2026年7月1日からの導入を目指して協議が進められており、これまで免税制度の対象内だった150ユーロ以下の少額貨物を扱う事業者に大きな影響を与えます。


【制度導入の主な背景】

  • 国内事業者の保護
    中華系ネット通販からの安価な輸入品が増加し、EU内の事業者にとって不公平な状況が続いた結果、EU域外からの少額貨物への課税により競争環境を是正することにしました。

  • 欧州全域での課税強化の流れ
    デミニミス制度(少額輸入貨物の免税規定)を悪用した価格の過少申告や、小包の分割発送による関税回避を構造的に防ぎ、正確な税収を確保する狙いがあります。

【制度詳細】

  • 開始時期
    2026年7月1日(予定)※欧州議会での審議状況により変動する可能性があります。

  • 対象貨物
    日本を含むEU域外から、EU加盟27カ国へ輸入されるすべての小口貨物。


  • 対象商品
    150ユーロ以下の少額貨物。現行の150ユーロ未満の関税免税枠を撤廃し、一律で課税対象とする方針です。


  • 課税対象者
    主にIOSS(輸入ワンストップショップ)を利用するプラットフォームや販売者に課税義務を負わせる仕組みが検討されています。このコストを商品価格や送料に反映させる場合、消費者にとっては実質的な値上げとなるため、客単価や成約率への影響を考慮した価格設計が求められます。



2. フランスの2ユーロ課税との二重徴収リスクは?

フランスでは、2026年7月から11月頃にかけての移行期間においては、150ユーロ以下の全商品を対象に、計5ユーロ(3ユーロ+2ユーロ)が徴収される可能性が考えられます。最終的にはEU全体で課税制度が統一される見通しですが、それまでの数ヶ月間は、EUの新関税とフランス独自の課税が個別に請求され、実質的な二重徴収となるリスクが残ります。

現在、以下の2つの制度が並行して進んでいる点に注意が必要です。



3.「少額貨物関税」開始後のEU向け越境EC戦略は?

HSコードの種類を最小限にし、まとめ売りで150ユーロ以上を目指す戦略が有効です。
この戦略は、150ユーロ以下の貨物に対し、「荷物1つにつき3ユーロ」ではなく「商品ラインごとに3ユーロ」の関税がかかるというルールを逆手に取っています。例えば1つの箱の中に「Tシャツ(衣類)」と「スニーカー(靴)」が入っている場合、異なるHSコードが2つ存在するため、合計6ユーロの関税が発生します。そのため、同じHSコードのものをまとめて発送できる「まとめ売り戦略」が有効になります。

【2026年7月以降のEU向け越境EC戦略】

  • まとめ売り・セット販売の推奨
    同じHSコードに分類される商品(例:Tシャツとポロシャツなど)をセットで購入してもらうよう誘導することで、販売個数を増やしつつ関税を3ユーロに抑えることが可能です。

  • 同梱の工夫
    複数の注文をまとめて発送する際、なるべく同じHSコードでまとめて送るなど、梱包の組み合わせを最適化するのが得策です。


  • 低単価・多品目の見直し
    異なる小物を大量に詰め合わせるギフトセットなどは、内容物ごとに3ユーロが積み重なり、送料以上の関税が発生するリスクがあるため注意が必要です。同じHSコードの商品でギフトセットを作るなどの対応が必要です。

 

 

4.日本の事業者が新たに行うべき対応は?

制度の最終確定を待つ間も、事業者がリスクを最小限に抑えるためにできる準備があります。

【事業者の対応】

  • 最新情報の継続的なウォッチ
    JETROや欧州委員会の公式リリースを定期的に確認し、「課税単位」や「正確な施行日」の確定情報を掴む体制を整えてください。


  • IOSS番号の適切な運用
    VATの二重徴収を未然に防ぐため、通関電子データの「差出人参照番号(Sender's Reference)」欄に、IOSS番号やVAT番号を入力するのがおすすめです。

    IOSS番号が入力済みの場合、「この貨物のVAT(付加価値税)は支払い済みである」という証明になります。これが不明確だと、本来不要なVATを再度請求されるトラブルが発生するおそれがあります。

  • 商品データの整理(HSコードの精緻化)
    自社商品のHSコードが正しく付番されているか、システム上で品目ごとのデータ出力が可能か、現状のデータ品質を点検しておくことが推奨されます。



5. まとめ|EUの少額貨物関税で対応すべき3つのポイント

今回のEUの少額貨物関税に対策を講じておくことで、7月以降に万が一変更が生じた際も柔軟に対応することができます。以下のポイントを参考に、今後に向けた体制を整えましょう。

  • HSコードでまとめる梱包戦略
    HSコードごとに3ユーロが課税されるため、同じHSコードの品目をセットで販売したり、大量注文の場合もHSコード別に分けて配送するよう徹底しましょう。

  • 事業者負担を見込んだ価格設計
    150ユーロ以下の商品は、課税に伴い配送コストや利用料が上がる可能性があるため、利益を見込めるよう価格・送料を再検討しましょう。

  • トラブルを未然に防ぐデータ入力
    現地での二重徴収を避けるため、IOSS番号の入力を徹底し、スムーズな通関を目指しましょう。


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