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2026年3月1日より、フランスにおいてEU域外からの少額輸入貨物を対象とした新たな課税制度が導入されました。こうした少額貨物への一律課金は、EU加盟国の中ではイタリアに次いで2例目となります。
EU域で広がる少額貨物課税の流れは、低価格帯の商品を扱う事業者にとって、免税枠を活用した配送モデルを見直す機会になっています。本記事では制度の背景や条件、課税後の越境EC戦略、実務上の対応すべきポイントを分かりやすく解説します。
1. フランスで始まる「少額貨物への一律課税制度」とは?
2026年3月1日より、フランス宛ての150ユーロ以下の少額貨物に対し、商品ラインごとに定額手数料が課されることとなりました。
この制度は、フランス国内で「TPC(Taxe sur les petits colis)」や「Small parcel tax」と呼ばれており、従来のVAT(付加価値税)とは別に発生するコストとして理解しておく必要があります。今回の制度導入には、以下のような背景があります。
【制度導入の主な背景】
- 国内事業者の保護
中華系ネット通販からの安価な輸入品が増加し、フランス国内事業者にとって不公平な状況が続いた結果、EU域外からの少額貨物への課税により競争環境を是正することにしました。 - 欧州全域での課税強化の流れ
欧州理事会は、2026年7月よりEU域外からの150ユーロ未満の小包に対し、一律3ユーロの固定関税を導入することに合意済みです。すでにイタリアでは2026年1月から同様の制度を導入しており、フランスもこの流れに追従する形となりました。
【制度詳細】
- 開始時期
2026年3月1日 ※2026年12月31日までの暫定措置の予定。 - 対象貨物
EU域外からフランス本土、海外県(グアドループ、マルティニーク、ギアナ、レユニオン、マヨット)、モナコへ輸入される貨物。 - 対象商品
150ユーロ以下の少額貨物。販売品だけでなく、個人間のギフト(贈り物)であっても、150ユーロ以下であれば原則対象。 - 課税対象者
配送業者やプラットフォーム側に課税されますが、その分事業者が払う配送手数料やプラットフォーム利用料が上がる可能性があります。
このコストを商品価格や「送料」に反映させる場合、消費者にとっては実質的な値上げとなるため、客単価や成約率への影響を考慮した価格設計が求められます。
2. 少額貨物課税後の越境EC戦略は?
「荷物1つにつき2ユーロ」ではなく「商品ラインごとに2ユーロ」課金されるため、1回の発送に含めるHSコードの種類を最小限にすることが重要です。
例えば1つの箱の中に「Tシャツ(衣類)」と「スニーカー(靴)」が入っている場合、異なるHSコードが2つ存在するため、合計4ユーロの手数料が発生します。そのため、同じHSコードのものをまとめて発送できるような戦略が有効になります。
【フランス向け越境EC戦略】
- セット販売の推奨
同じHSコードに分類される商品(例:Tシャツとポロシャツなど)をセットで購入してもらうよう誘導することで、販売個数を増やしつつ手数料を2ユーロに抑えることが可能です。 - 同梱の工夫
複数の注文をまとめて発送する際、なるべく同じHSコードでまとめて送るなど、梱包の組み合わせを最適化するのが得策です。 - 低単価・多品目の見直し
異なる小物を大量に詰め合わせるギフトセットなどは、商品ラインごとに2ユーロが積み重なり、送料以上の手数料が発生するリスクがあるため注意が必要です。同じHSコードの商品でギフトセットを作るなどの対応が必要です。
3.日本の事業者が新たに行うべき対応は?
VATの二重徴収を未然に防ぐため、通関電子データの「差出人参照番号(Sender's Reference)」欄に、IOSS番号やVAT番号を入力してください。
IOSS番号が入力済みの場合、「この貨物のVAT(付加価値税)は支払い済みである」という証明になります。これが不明確だと、現地で2ユーロの手数料に加えて、本来不要なVATを再度請求されるトラブルが発生するおそれがあります。
これらの入力は必須ではありませんが、2026年7月にはEU全域で一律3ユーロの固定関税が導入されるため、いち早い対応で今後の欧州展開に備えましょう。
4. まとめ|フランスの少額貨物課税で対応すべき3つのポイント
今回のフランスの措置に対して対策を講じておくことで、将来的な欧州市場の変化にも柔軟に対応することができます。以下のポイントを参考に、今後に向けた体制を整えましょう。
- 商品ラインでまとめる梱包戦略
HSコードごとに2ユーロが課税されるため、同じHSコードの品目をセットで販売したり、大量注文の場合もHSコード別に分けて配送するよう徹底しましょう。 - 事業者負担を見込んだ価格設計
課税に伴い配送コストや利用料が上がる可能性があるため、利益を見込めるよう価格・送料を再検討しましょう。 - トラブルを未然に防ぐデータ入力
現地での二重徴収を避けるため、IOSS番号の入力を徹底し、スムーズな通関を目指しましょう。
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