目次
- タイ市場の基礎知識とECの成長性は?
- タイで売れ筋の商品カテゴリは?
- 販売チャネル(Shopee・Lazada・自社EC)の選び方は?
- タイ向け越境ECを始めるためのステップは?
- 決済・物流・税制で注意すべき実務上のポイントは?
- 集客・マーケティングのポイントは?
- 運営・カスタマーサポートで気を付けることは?
- まとめ|タイEC市場進出の3つのポイント
国内市場が縮小するなか、経済成長とデジタル化の勢いが目覚ましいタイは、海外販売において見逃せない販路のひとつです。2026年現在、タイのEC市場はスマートフォンの高い普及率とSNS主導の消費行動を背景に急拡大しており、多くの日本企業にとって有望な販路のひとつです。
タイのEC市場は年々拡大を続け、スマートフォンを通じたオンラインショッピングが急速に普及しています。特に美容・コスメ、家電、サプリメントなどの分野では日本製品への信頼が厚く、現地消費者から高い支持を集めています。一方で、現地での販売に挑戦する際には、プラットフォーム選びや決済手段、物流の仕組み、税制や規制など、理解しておくべき課題も少なくありません。こうした要素を戦略的に整理することが、事業成功のカギとなります。
1. タイ市場の基礎知識とECの成長性は?
タイ市場は、ASEAN屈指の安定した経済成長を背景に、国民の9割近くがスマホを保有する「モバイルファースト」な巨大市場へと進化しています。人口約7,000万人という市場規模に加え、バンコクなどの都市部を中心とした購買力の高さが追い風となり、オンラインショッピングは日常生活に欠かせない存在となりました。EC利用層は20〜40代が中心で、SNSでの口コミやレビューを極めて重視する傾向があります。政府もデジタル推進を掲げており、ショッピングアプリや電子ウォレットの利用が日常化しているため、日本企業にとっては品質の高さを武器にアプローチできるチャンスが整っています。

2. タイで売れ筋の商品カテゴリは?
人気のカテゴリは「美容・コスメ」「家電・ガジェット」「サプリ・ヘルスケア」の3分野です。タイでは日本製品は「高品質で信頼できる」という評価を獲得しています。特にこれらのカテゴリは特に現地のライフスタイルや価値観にマッチし、安定した需要を生み出しています。
【人気カテゴリとその理由】
- 美容・コスメ
敏感肌向けスキンケアや自然由来成分を重視した製品は「安心して使える」と評価され、特に都市部の若年層女性に支持されています。インフルエンサーを通じた拡散力が強いのも特徴です。 - 家電・ガジェット
炊飯器、美容家電、キッチンツールなどは「壊れにくく使いやすい」という耐久性への評価が高く、現地での保証体制が整うことでさらに信頼が増す傾向があります。 - サプリ・ヘルスケア
健康志向の高まりで需要が拡大していますが、現地当局(FDA:タイ食品医薬品局)の認可や広告表現の規制が厳しいため、法的リスクを避けるための事前確認が欠かせません。
3. 販売チャネル(Shopee・Lazada・自社EC)の選び方は?
初期段階では集客力の高い「Shopee」や「Lazada」で販売を始め、実績を積んだ後に「自社EC」を併用して顧客基盤を強化するのが理想的です。
各チャネルの特徴・強みと適した商品を下記にまとめましたので、参考にご確認ください。

| 販売チャネル | 特徴・強み | 適した商品 |
| Shopee | 東南アジアで最も利用者数が多いECプラットフォームのひとつ。モバイルアプリに強みを持ち、期間限定セールやクーポン施策を通じて価格に敏感な消費者にアプローチできる。 |
日用品 |
| Lazada | アリババグループ傘下で、物流や決済の仕組みが充実。比較的購買力の高い層が多く、キャンペーンやライブコマース機能を積極的に活用してファンを獲得できる。 |
ブランド品 |
| 自社EC | 顧客データを直接蓄積でき、リピーター育成や長期的な売上基盤づくりに最適。一方で集客コスト(広告・SEO)は高く、タイ語でのサイト構築や決済対応などローカライズ対応が求められる。 |
ストーリー性のある独自ブランド、希少性が高いもの、高単価な商品 |
4. タイ向け越境ECを始めるためのステップは?
市場調査による売れる商品の見極め、現地語へのローカライズ、ブランドの信頼につながるレビュー獲得という3段階のプロセスが必要です。まずShopee等のランキングやSNSから現地の品質・デザイン・価格感を掴みます。次に、商品名や説明文を現地の文化に合わせたタイ語へ最適化し、利用シーンをイメージしやすい視覚情報を整備します。初期段階はキャンペーンを活用して最初の購入ハードルを下げ、良質なレビューを集めることで、ブランドとしての信頼の土台を作りましょう。
5. 決済・物流・税制で注意すべき実務上のポイントは?
タイで広く使われている代金引換(COD)への対応に加え、2026年1月より開始した少額貨物の関税免除廃止をふまえたコスト設計・DDP(関税込み決済)の導入が重要です。下記にて各ポイントについて詳しく解説します。

- 決済
「現物確認後に支払いたい」というニーズから代金引換(COD)が依然として根強い一方、TrueMoney等のデジタルウォレットも普及しています。クレジットカード決済も一定の利用がありますが、利用率は日本ほど高くありません。複数の決済手段を用意することが売上拡大につながります。 - 物流
少量から始められる「日本からの直送」と、配送リードタイム(注文から到着までの日数)を短縮できる「現地倉庫(国内発送)」があります。直送は在庫リスクが少なく、少量から始められる点がメリットですが、配送日数が長く送料も高くなりがちです。一方、タイ国内に現地倉庫を設置すると、配送が早く送料無料キャンペーンなど販促施策が打ちやすくなります。在庫管理や初期投資が必要となるため、販売量を見極めて導入することが重要です。 - 税制
2026年1月より少額貨物の免税措置が廃止され、従来は約6,000円(1,500バーツ)以下で免除されていた関税とVAT(付加価値税7%)が、現在は1バーツから全件課税となっています。これにより、商品代金に税金をあらかじめ含めた価格設定が不可欠になります。しかし、これらを含めた価格を支払った消費者に対し、現地の税関や配送業者が未払いとみなして関税を二重請求し、受取拒否に発展するケースがあります。こうした行き違いによるトラブルを防ぐために、決済時に税金を一括精算し、事業者がすべての税負担を確約するDDP(関税込み決済)の導入が推奨されます。
6. 集客・マーケティングのポイントは?
SNS広告による認知拡大と、タイ市場で絶大な影響力を持つKOL(インフルエンサー)との連携を組み合わせるのが効果的です。タイの消費者はSNSを日常的に情報収集に活用しているため、FacebookやTikTok広告で「認知」を広げ、Google検索広告で「購入」へ繋げる役割分担が基本です。また、タイでは消費者がインフルエンサーの発信を参考にする傾向があるため、 特にインフルエンサーによるレビューやライブ配信が売上を大きく押し上げます。また、モール・自社ECいずれも現地の言語に沿ったSEOが重要になるため、モール内でも商品タイトルや説明文に検索ワードを盛り込み、上位表示を狙う工夫が必要です。
7. 運営・カスタマーサポートで気を付けることは?
タイの消費者はチャットを通じた密なコミュニケーションを好むため、タイ語で迅速に対応できるサポート体制を整えることが重要です。また、ポジティブなレビューを獲得するために、配送スピードや梱包品質を高めることはもちろん、購入後にフォローアップメッセージ、リピーター向けクーポン、メルマガなどを配信することで、継続的な売上につなげることができます。また、食品や化粧品の成分表示、広告表現の現地法規を遵守し、コンプライアンス面のリスクを回避しましょう。
8. まとめ|タイEC市場進出の3つのポイント
- モール活用から始め、クーポンやキャンペーンでレビューを早期に蓄積する
大手モールの集客力で実績を積み、レビューを増やすことが次の購入につながります。 - 最新の税制と決済習に対応する
課税を前提としたコスト設計と、代金引換(COD)などの現地ニーズに即した決済手段を整えます。 - 専門パートナーの力を借りて「スピード」と「安全性」を確保する
物流・決済・法規制の確認は自社で抱え込まず、プロを活用することで自社の強みに集中できます。
当メディアは、タイ市場だけでなく、世界各国の最新トレンドや進出ノウハウをまとめた記事をお届けしています。越境ECで成果を出すには、現地の変化やトレンドをいち早くキャッチすることが何より大切になります。貴社の海外展開をより確実なものにするために、ぜひ他の解説記事もあわせてチェックしてみてください。