目次
- なぜ「ベトナム向け越境EC」なのか?
- ベトナム市場のポテンシャルを読み解く
- ベトナム向け越境ECに適したプラットフォームとは?
- ベトナムの消費者心理と購買行動の特徴を知る
- 越境ECで成功するために準備すべきこと
- SEO視点でのコンテンツ戦略とプロモーション設計
- 「ベトナム越境EC」で陥りがちな課題とその対策
- ベトナム向け越境ECの成功事例に学ぶ
- まとめ~ベトナム市場で成功するために~
国内市場の縮小や競争の激化により、多くの事業者が新たな成長機会を求めて海外市場への進出を模索しています。中でも、急速な経済成長とデジタル化が進むベトナムは、若年層を中心にオンラインショッピングが浸透し、輸入品への関心も高まっている注目のマーケットです。
ただし、海外に販路を広げるには、現地の文化や消費者心理、利用されているECプラットフォームの特性などを正しく理解し、適切な戦略を立てる必要があります。どれだけ魅力的な商品でも、それが現地のニーズに合っていなければ成果にはつながりません。
この記事では、今後の販路拡大を真剣に考える事業者に向けて、ベトナム市場の最新動向や販売戦略、成功事例などを詳しく解説します。新たな一歩を踏み出すためのヒントが、きっと見つかるはずです。
1. なぜ「ベトナム向け越境EC」なのか?


日本国内市場の縮小や物価高の影響を受け、企業や事業主が新たな販路を模索する動きが強まる中、今、東南アジア市場への越境ECが大きな注目を集めています。中でもベトナムは、圧倒的な経済成長スピードと若年層を中心とした購買力の向上により、特に有望な市場として注目されています。
実際、2025年のベトナムの実質GDP成長率は、政府目標として通年で約8.0%が掲げられており、第2四半期(4〜6月)の実績では前年比7.96%増という高い数値を記録。これは、IMFや他の国際機関による6.9〜8.0%という予測レンジを上回る勢いです(参照:ニュース証券株式会社)。
このような堅調な経済成長を背景に、ベトナムでは中間層の拡大とデジタル化の進展が進み、スマートフォンとインターネット環境の普及により、EC市場も急拡大しています。特に若年層を中心に、ネットショッピングが日常化しつつあり、オンラインを通じた購買行動が加速度的に増加しています。
また、日本製品に対する信頼感は非常に高く、コスメ、日用品、ファッション、食品など幅広いジャンルで“日本製”が強みになる傾向があります。品質や安全性を重視する消費者にとって、日本ブランドは選ばれる理由となっており、これは販促上の大きなアドバンテージです。
さらに、現地EC市場はまだ発展途上であり、競争が激化する前の“ブルーオーシャン”状態にあります。過剰な価格競争に巻き込まれず、自社の強みを活かした販売戦略を構築しやすい点も、今このタイミングでの参入が推奨される理由のひとつです。
このように、高成長・高信頼・低競争という3つの条件がそろったベトナム市場は、販路拡大や越境ECの新たな起点として、大きな可能性を秘めています。
2. ベトナム市場のポテンシャルを読み解く
ベトナムは、東南アジアの中でも特に経済・人口・消費行動の3要素がバランスよく伸びている国です。そのポテンシャルは数字に裏付けられています。


まず、人口は約1億人を突破しており、これは東南アジア諸国の中でも上位規模です。注目すべきはその年齢構成で、平均年齢は31歳前後と非常に若く、労働力の供給が豊富でありながら、消費活動が活発な層がボリュームゾーンを形成しています。若年層を中心にスマートフォンやSNSの活用が進み、ECサイトやショッピングアプリの利用にも積極的です。
加えて、ベトナム政府はデジタル経済の国家戦略を掲げ、キャッシュレス化や物流インフラの整備、ネット環境の拡充などを急ピッチで進めています。これにより、地方部でもECを活用した購買行動が広がりつつあり、都市部と地方のデジタル格差も徐々に縮小しています。
さらに、日本企業にとって魅力的なのが、ベトナムにおける日本製品への信頼感です。特に化粧品、日用品、食品、文房具などは品質が高く安心して使えるというイメージが根強く、現地ECサイトでも日本製カテゴリは高価格帯であっても購買意欲を高める要因になっています。
このような背景から、ベトナム市場では高品質で信頼性のある商品を適切な価格で提供できれば、中長期的なリピーター獲得にもつながる可能性が高いといえるでしょう。また、日本企業による丁寧なカスタマーサポートやアフターケアも、他国との明確な差別化要素となります。
今後、経済成長とともに中間層がさらに増加すれば、ECの市場規模は継続的に拡大していく見通しです。これから海外展開を考える企業にとって、ベトナムは先行者利益を得やすい、将来性ある市場として魅力的な選択肢となっています。
3. ベトナム向け越境ECに適したプラットフォームとは?
ベトナム市場でEC販売を成功させるためには、現地で利用されている主要プラットフォームを理解し、商品の特性や販売戦略に合ったチャネルを選ぶことが欠かせません。ベトナムのEC市場では現在、Shopee(ショッピー)、Lazada(ラザダ)、Tiki(ティキ)、Sendo(センド)の4つが主要なプラットフォームとしてシェアを占めています。
これら4つのプラットフォームにはそれぞれ異なるユーザー層と強みがあり、自社商品の価格帯、カテゴリ、販売目的に応じて選定することが成功の鍵です。あわせて、自社ECサイトを並行して運用し、ブランドストーリーやリピート導線を構築することも、長期的な視点で有効な選択肢です。
3-a. Shopee(ショッピー)
東南アジア全域で圧倒的な知名度を誇るShopeeは、ベトナム国内で最も多くのユーザー数と出店者数を持つ巨大ECモールです。アプリ経由の利用が多く、スマホ中心の若年層にリーチしやすいという特徴があります。プロモーション機能やクーポン発行、ライブ配信などの販促機能も豊富で、短期間での認知獲得に強みがあります。
3-b. Lazada(ラザダ)
アリババグループ傘下のLazadaは、中価格帯以上の商品やブランド品を購入するユーザー層に人気があります。UI/UXが洗練されており、商品ページの作り込みやブランディング施策を丁寧に行いたい事業者に向いています。また、東南アジア全体での展開を視野に入れる場合、複数国対応がしやすい点もメリットです。
3-c. Tiki(ティキ)
Tikiは元々書籍販売からスタートしたベトナム発のプラットフォームで、信頼性・配送品質の高さに定評があります。越境ECへの直接出店はややハードルが高いものの、現地法人やパートナー経由での出店による安定運用が可能です。比較的高価格帯の商品やレビュー重視の消費者にアプローチしたい場合に有効です。
3-d. Sendo(センド)
ベトナム国内の中堅都市や地方ユーザーにも広く普及しているSendoは、ローカル色の強いプラットフォームです。価格重視の消費者が多く、低〜中価格帯の商品に適しており、ボリューム重視の販売戦略にマッチします。
4. ベトナムの消費者心理と購買行動の特徴を知る
ベトナム市場で成果を上げるには、単に現地で人気のプラットフォームに出店するだけでなく、消費者の価値観や購買行動の傾向を深く理解することが不可欠です。とりわけ、越境ECでは見えない販売者から商品を購入するという不安を乗り越える信頼構築が重要な要素となります。
まず、ベトナムの消費者は価格よりも信頼できるかどうか、安全かどうかを重視する傾向があります。特に食品や化粧品など肌や身体に関わる商品では、どこで作られたのか・正規品か・レビューは十分か、といった情報が購入の決め手になります。日本製品はこの点で大きなアドバンテージがあり、「品質=安心=日本ブランド」という印象が広く定着しています。
また、レビューやSNSでの口コミを非常に重視する文化があるため、商品ページでの実際に使用した写真や、ユーザーによる投稿を活用したプロモーションが効果的です。レビューが少ない、あるいはネガティブな内容が多い商品は、それだけで購入候補から外されることも珍しくありません。
もうひとつの特徴は、ローカライズされた情報へのニーズです。言語面の壁がある中で、ベトナム語でしっかりと説明されている商品は、消費者に安心感を与えます。Google翻訳などの機械翻訳による説明文では不信感を持たれることもあるため、現地の言語に最適化された商品説明や広告、カスタマー対応が成功の鍵となります。
さらに、支払い方法にも特徴があります。ベトナムでは依然として代金引換(Cash on Delivery, COD)の利用率が高く、商品が届いてから支払いたいという慎重な購買姿勢が根強く残っています。そのため、現地配送業者と連携してCODに対応する仕組みを整えることが、購買率の向上に直結します。
このように、ベトナムの消費者は信頼・情報の透明性・ローカライズ・支払いの柔軟性を重視する傾向があり、これらの心理に合わせた施策を講じることで、リピーターや口コミによる拡散も期待できます。
5. 越境ECで成功するために準備すべきこと
ベトナム市場への越境ECは大きなビジネスチャンスである一方で、しっかりとした準備なしに参入してしまうと期待した成果が得られないリスクもあります。文化や商習慣の違い、インフラ環境、言語、決済事情など、多くの要素が絡み合うからです。ここでは、成功の土台となる重要な準備項目を紹介します。


5-a. 現地市場に関するリサーチ
まず最初に取り組むべきは、ベトナムの消費者ニーズや競合状況を把握することです。どのカテゴリーに需要があるのか、現地で流行しているデザインや機能は何か、日本製品の中でも特に評価されている要素は何か――こうした情報を事前に把握することで、出品商品やプロモーションの方向性が明確になります。SNSや現地レビューサイト、ShopeeやLazadaの売れ筋ランキングなどは、貴重な情報源です。
5-b. 翻訳・顧客対応体制の整備
ベトナム語は英語と異なり、日本企業にとって馴染みが薄い言語です。機械翻訳では不自然な表現になることが多く、誤訳によって信頼を失うリスクもあります。そのため、現地語に堪能なスタッフや翻訳会社との連携は不可欠です。また、注文後の問い合わせ対応や返品連絡においても、現地語での丁寧な対応は信頼構築につながります。
5-c. 決済・物流のパートナー選定
ベトナムでは代金引換(COD)が主流であり、クレジットカード決済だけでは顧客を取りこぼしてしまいます。越境EC対応の物流代行業者や、現地の配送ネットワークを活用できるフルフィルメントサービスを選定することで、スムーズな配送と支払いに対応できます。また、通関手続きについても、税関書類の整備や関税の事前確認を行っておくことで、出荷トラブルを防ぐことができます。
6. SEO視点でのコンテンツ戦略とプロモーション設計
ベトナム向けに越境ECを展開する際、商品を登録して終わりではありません。ユーザーに商品を見つけてもらい、選ばれる存在になるためには、コンテンツとプロモーションの設計が極めて重要です。これは日本市場と同じく、検索結果やランキング、視認性が売上を左右するからです。
まず、商品ページにおけるキーワード設計が基本となります。ShopeeやLazadaなどのモールでは、検索窓を通じて商品を探すユーザーが多数います。ここで上位に表示されるためには、タイトルや説明文に適切なキーワード(商品名+用途+属性)を自然な形で含める必要があります。例えば「フェイスマスク」なら、「肌にやさしい」「日本製」「敏感肌用」など、検索意図に沿った言葉を盛り込むことで露出が高まります。
また、メタ情報や画像の最適化も欠かせません。商品画像は第一印象を左右するため、現地の好みに合った色味や演出、実際の使用シーンを反映させるとクリック率が向上します。説明文も、ベトナム語で丁寧に翻訳・構成されたものほど信頼を得やすくなります。
プロモーション施策としては、モール内のキャンペーン参加やインフルエンサー活用、SNSとの連携が効果的です。ShopeeやLazadaでは定期的に大規模セール(ダブルデーや月末セールなど)が開催されており、これらに連動して価格や特典を設計することで、多くの新規ユーザーとの接点が生まれます。
さらに、ベトナムではTikTokやFacebookの活用率が非常に高く、SNS経由での購買行動が活発です。レビュー投稿やインフルエンサーによる体験動画など、UGC(ユーザー生成コンテンツ)を増やすことで信頼性と拡散力を高めることができます。
越境ECでも「検索に強いコンテンツ」と「現地に響く販促施策」の両輪が揃うことで、単なる出品から脱し、“選ばれる商品”として認知される基盤が築かれます。
7.「ベトナム越境EC」で陥りがちな課題とその対策
ベトナム市場は高い成長性を持つ一方で、越境ECならではの課題もいくつか存在します。多くの日本企業が参入後に直面するのが、信頼構築・物流コスト・言語と文化の壁といったハードルです。こうした課題にどう向き合うかが、継続的な成果を得る鍵になります。
7-a. 課題①:販売者や品質をすぐに信用しない
ベトナムの消費者は、日本以上にレビューや口コミに敏感で、知らない販売者から初めて購入する際は慎重です。特に越境ECの場合、現地に店舗がない=信用できる情報が少ないと見なされがちです。
対策:
・購入者レビューの獲得を最優先にする
・公式感を演出(ブランドロゴ、店舗ページの整備)
・SNSやインフルエンサーと連携し、第三者評価を見せる
7-b. 課題②:国際送料と配送スピード
物流費用は越境EC最大のネックのひとつです。ベトナム向けに少量ずつ発送すると、1件あたりの送料が高くなり、価格競争力が失われやすくなります。また、配送に時間がかかるとキャンセル率やクレームが増加する傾向もあります。
対策:
・現地倉庫・物流代行を活用して一括出荷する
・ShopeeやLazadaのフルフィルメントサービスを利用する
・あらかじめ配送にかかる日数を明記して購入ハードルを下げる
7-c. 課題③:文化・言語の違いによる誤解
ベトナム語の不自然な翻訳、価格表示のミス、文化的な誤認識による表現の失敗などが、消費者との信頼関係を損ねるリスクになります。細かい部分のローカライズ不足が、成約率に大きく影響します。
対策:
・プロによる翻訳やネイティブチェックを活用
・現地スタッフやパートナーを活用し、感覚のすり合わせを行う
・商品説明やFAQを、現地消費者目線で設計し直す
8. ベトナム向け越境ECの成功事例に学ぶ
実際にベトナム市場で成果を上げている日本企業やブランドの事例からは、どのような戦略が効果的か、どこで差別化できるかといったヒントが数多く得られます。ここでは、いくつかの代表的な成功パターンをご紹介します。
8-a. 成功事例①:高品質を武器に単価の高い商品で勝負
ある美容関連ブランドは、日本製スキンケア商品の品質の高さを前面に押し出し、Shopee上でプレミアムカテゴリを活用。安売り競争には乗らず、レビューを重ねて信頼を獲得する戦略を徹底しました。商品ページはすべてベトナム語で整え、商品に同梱するリーフレットや梱包の丁寧さまでローカライズを徹底。結果、リピーター率が高く、初月から黒字化を実現しています。
8-b. 成功事例②:ローカルイベントに連動した販売戦略
食品メーカーが現地の旧正月(テト)に合わせた限定ギフトパッケージを販売し、販促キャンペーンとSNSプロモーションを同時展開。短期間で大量の新規顧客を獲得しました。ベトナムでは季節行事や贈り物文化が根強く、これにマッチした販売企画はコンバージョン率が高くなります。
8-c. 成功事例③:現地販売パートナーと連携して効率化
別の文房具メーカーは、現地の販売代理店と連携する形で商品を出品。物流、翻訳、顧客対応の多くを現地パートナーが担う形にしたことで、日本側の運用負担を最小化。その分、商品開発やキャンペーン設計に集中でき、継続的に売上を伸ばしています。
これらの成功企業に共通しているのは、現地ユーザーをよく理解し、丁寧に向き合っていることです。価格だけで勝負するのではなく、文化・言語・ニーズを細かく捉えて対応する姿勢が、信頼の獲得とブランドの差別化につながっています。
9. まとめ~ベトナム市場で成功するために~
急成長を遂げるベトナム市場は、越境ECに取り組む企業にとって極めて魅力的なフィールドです。高い経済成長率、スマートフォンとECの普及、そして日本製品への厚い信頼――これらがそろうベトナムは、まさに“今が狙い目”といえるタイミングにあります。
しかしその一方で、成功には確かな準備と戦略が欠かせません。まず大前提として、現地の経済動向や消費者ニーズ、競合状況についてしっかりと理解すること。そして商品やブランドの信頼性を、言語やデザイン、レビュー、梱包など、あらゆる接点で丁寧に伝えることが求められます。
また、言葉の壁や文化的な違いも軽視できない要素です。現地語で自然な商品説明を整えること、価値観の違いを前提とした対応設計を行うことが、購買心理に直接影響します。さらに、物流や決済、カスタマー対応の面でも、ベトナムならではの慣習に合わせた仕組みづくりが重要です。とくに代金引換への対応や、迅速で誠実な顧客対応は、越境ECにおける信頼獲得の要となります。
そして何より、売って終わりではなく、継続的に選ばれる存在になるための仕組みづくりが成功の鍵を握ります。リピーターを増やす工夫や、SNS・レビューを活用した認知拡大など、中長期的なブランド構築を視野に入れた取り組みが、ベトナム市場における信頼と売上の両立につながっていきます。
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