2025/05/14
戦略
越境ECで継続的に売上を伸ばす広告戦略とは? 4分で読めます
越境ECで継続的に売上を伸ばす広告戦略とは? 4分で読めます

目次

  1. 越境ECにおける広告の主な課題と悩み
    1. 認知獲得の難しさ
    2. 広告費が無駄になるリスク
    3. 社内リソースとノウハウの不足
  2. ターゲット国に合わせた広告戦略の考え方
    1. 国ごとのユーザーニーズを把握する
    2. 言語と文化への適応=ローカライズ
    3. 現地で使用されている広告チャネルを選ぶ
  3. 越境ECで有効な広告手法とは?
    1. リスティング広告(検索連動型広告)の活用法
    2. SNS広告(Facebook、Instagram、TikTokなど)
    3. インフルエンサーを活用したプロモーション
    4. 商品フィード広告(データ連携型広告)
    5. 記事広告・動画広告でのブランディング
  4. 広告効果を最大化するための実践ポイント
    1. 翻訳+ローカライズで“伝わる”広告に
    2. 広告クリエイティブの最適化
    3. A/Bテストで改善を重ねる
    4. スムーズな購買導線を設計する
    5. 成果を可視化し、改善サイクルを回す
  5. 広告だけじゃない、SEOやSNSとの連携で中長期的効果を高める
    1. 広告費の目安は「売上の5〜15%」が多い傾向
    2. 認知と転換、2つの目的に分けて配分を考える
    3. 自社運用か?代理店活用か?
    4. 無理のない予算設計と継続的な運用体制を
  6. 広告だけじゃない、SEOやSNSとの連携で中長期的効果を高める
    1. SEO:自然検索からの流入を増やす
    2. SNS:広告とは異なる“ファン化”の場として活用
    3. 広告との連携でシナジーを生む
  7. まとめ

 

国内市場が飽和しつつある今、海外への販路拡大を目指す企業にとって「越境EC」は大きなチャンスとなっています。業種や規模を問わず、オンラインを通じて海外の顧客に直接アプローチできるこのビジネスモデルは、注目度を高めています。

しかし、越境ECでは「どうやって現地のユーザーに見つけてもらうか」が最大の課題です。商品力だけでは限界があり、広告を活用した戦略的なアプローチが欠かせません。

本記事では、越境ECにおける広告の重要性とその具体的な手法、成功のヒントをわかりやすく解説していきます。

 

1. 越境ECにおける広告の主な課題と悩み

越境ECを始めた多くの企業が直面する最初の壁は、「広告を出しても反応がない」「思ったように売上が伸びない」といった集客や成果の課題です。特に日本国内でのマーケティング経験が豊富な企業であっても、海外市場においてはまったく異なる広告環境やユーザー行動に戸惑うことが少なくありません。

1-a. 認知獲得の難しさ

海外ユーザーに商品を知ってもらうには、日本とは異なる広告チャネルやアプローチが必要です。たとえば、中国ではGoogleやInstagramが使えず、WeChatやWeiboが主流です。アメリカや東南アジアではFacebookやTikTokの影響力が大きく、単に広告を配信するだけではリーチできない層も存在します。

 

1-b. 広告費が無駄になるリスク

「クリックはされるが購入に至らない」「広告費をかけてもリターンが見合わない」という声もよく聞かれます。これは、ターゲット国におけるニーズの理解不足や、訴求ポイントのズレ、翻訳の不自然さなどが原因であるケースが多く見受けられます。

 

1-c. 社内リソースとノウハウの不足

越境EC広告は多言語対応、国ごとの広告規制、為替変動、物流事情など複雑な要素を含みます。そのため、広告運用を外注せずに社内で完結しようとする場合、人的リソースやノウハウが追いつかず、かえって遠回りになることもあります。

こうした課題をクリアするためには、現地ユーザーの行動様式に寄り添った広告設計と、実際に使われている媒体や文化への深い理解が不可欠です。

 

 

2. ターゲット国に合わせた広告戦略の考え方

越境ECの広告戦略において最も重要なのは、「誰に・どのように届けるか」を現地市場に最適化することです。日本国内の感覚で広告を展開しても、文化的背景や生活習慣が異なる国では、期待した成果が得られないことがよくあります。そのため、ターゲット国ごとに広告の打ち出し方を丁寧に設計することが求められます。

 

2-a. 国ごとのユーザーニーズを把握する

まず着手すべきは、ターゲット国のユーザーが何を求めているかを明確にすることです。たとえば、日本製品の「品質の高さ」が評価される国もあれば、「デザイン性」「コストパフォーマンス」「ブランドストーリー」に魅力を感じる国もあります。

これらの情報は、Google Trendsや現地ECモールでのレビュー分析、現地パートナー企業からのヒアリングなどを通じて収集できます。また、現地のSNSでユーザーがどのような投稿に反応しているかを観察することも、ニーズを読み取る手がかりになります。

 

2-b. 言語と文化への適応=ローカライズ

単なる機械翻訳ではなく、現地ユーザーに自然に伝わる「翻訳+表現の最適化」=ローカライズが重要です。広告文やバナー、動画コンテンツなどの表現は、言葉の意味だけでなく、ニュアンスや感情の伝え方、色づかいやレイアウトにも配慮する必要があります。

たとえば、宗教や文化的タブーに無自覚なビジュアルやコピーは、現地ではネガティブな印象を与えてしまうことがあります。そのため、できる限りネイティブチェックを入れることが理想的です。

 

2-c. 現地で使用されている広告チャネルを選ぶ

国や地域によって、主流となっている広告プラットフォームやSNSは大きく異なります。日本の感覚でFacebook広告を中心に展開しても、ターゲット層がInstagramや別の媒体を利用している地域では、十分な効果を得られない可能性があります。

たとえば、各国でよく利用されている広告チャネルには以下のような違いがあります。

  • 中国:WeChat、Weibo、RED(小紅書)、Douyin(抖音)
  • アメリカ・欧州:Google広告、Instagram、TikTok、YouTube
  • 東南アジア:Facebook、Shopee Ads、Lazada広告

このように、広告効果を最大化するためには、ターゲット国のユーザーが日常的に利用しているチャネルを選定することが重要です。現地で人気のSNSや検索エンジン、動画プラットフォームを活用することで、より効率的に認知度を高め、見込み顧客へのアプローチが可能になります。

 

 

3. 越境ECで有効な広告手法とは?

ターゲット国に合わせた広告戦略の設計ができたら、次に重要なのが「どの広告手法を選ぶべきか」という判断です。越境ECにおいては、認知拡大から購買促進まで幅広く対応できる広告手法が存在します。この章では、特に成果が出やすい5つの手法を紹介し、それぞれの活用ポイントを解説します。

3-a. リスティング広告(検索連動型広告)の活用法

リスティング広告は、GoogleやBingなどの検索エンジンでユーザーが特定のキーワードを検索した際に表示される広告です。商品に強い関心を持つ層へ直接アプローチできるのが最大のメリットです。

たとえば「buy japanese skincare」や「japanese skincare online」といった具体的なキーワードで検索しているユーザーは、すでに購入意欲が高く、ECサイトへの導線として非常に有効です。

成功の鍵は、現地語での適切なキーワード選定と広告文の最適化です。また、検索ボリュームや競合の広告出稿状況も事前に分析し、効率の良いキーワードに予算を集中させることが重要です。

 

3-b. SNS広告(Facebook、Instagram、TikTokなど)

SNS広告は、ターゲットの興味・関心・行動パターンに基づいた高度なターゲティングが可能です。特にFacebookやInstagramは、年齢・性別・地域・デバイス・趣味嗜好などの条件でセグメントを絞り、広告を届けることができます。

最近ではTikTokの勢いが顕著で、特に東南アジアやアメリカ市場では短尺動画によるプロモーションが大きな拡散力を持っています。視覚的に訴求力のある広告素材と、現地のトレンドや表現に合わせたコンテンツ作りが鍵です。

SNS広告では、クリエイティブの質とABテストによる改善サイクルの導入が成果に直結します。

 

3-c. インフルエンサーを活用したプロモーション

現地のインフルエンサーと提携することで、商品の魅力をより自然な形で伝えることができます。特にECにおいては、インフルエンサーの使用レビューや紹介動画がユーザーの購買意欲を高める効果があります。

マイクロインフルエンサー(フォロワー1万〜10万程度)を起用すれば、コストを抑えながらもエンゲージメント率の高い層に的確にアプローチできます。信頼性や親近感を感じさせる投稿は、従来の広告以上に強い影響を持つ場合もあります。

ただし、インフルエンサー選定にあたっては、フォロワー属性・投稿の一貫性・過去の広告実績などを慎重に見極める必要があります。

 

3-d. 商品フィード広告(データ連携型広告)

商品フィード広告とは、自社ECサイトの商品データをもとに自動的に生成される広告のことです。Googleショッピング広告やFacebookダイナミック広告が代表的な例で、ユーザーの閲覧履歴や興味関心に応じて最適な商品を表示できます。

特に、カートに入れたまま離脱したユーザーに対して、再度その商品を表示する「リターゲティング広告」は、購買促進に直結する手法として有効です。

商品数が多い場合でも、手間をかけずに大量の商品を広告に展開できるため、広告運用の効率化と売上拡大の両立が可能です。

 

3-e. 記事広告・動画広告でのブランディング

中長期的にブランドの認知度や信頼感を醸成したい場合には、記事広告(タイアップ記事)や動画広告が有効です。現地メディアやニュースサイトに掲載された商品紹介記事は、第三者視点のレビューとして受け取られ、信頼性のある情報源として作用します。

また、YouTubeなどの動画広告では、商品の使い方・こだわり・開発背景などをストーリー性をもって伝えることができ、ブランド理解や感情的な共感を生むコンテンツとして高く評価されます。

こうした広告は単発のCV(コンバージョン)よりも、認知→比較→信頼構築→購買のプロセスを支える重要な役割を担います。

 

 

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