2023/11/09
物流・配送
VAT事前徴収制度とは?~越境EC事業者が知っておきたい世界的潮流~ 1分で読めます

輸入ワンストップショップ制度

2021年7月1日、「EUにおける電子商取引に適用される付加価値税に関する一連の規則や指令の改正」が施行されました。

ここで電子商取引はEC、付加価値税はVAT(=消費税)のことと読み替えてください。

この記事ではそれぞれ、EC、VATで統一して説明します。

この改正では、日本でEC事業を行いEUの消費者に商品を発送している事業者にとって、非常に重要なポイントがあります。

それは、輸入ワンストップショップ制度(IOSS制度:Import One Stop Shop制度)という新制度の導入です。

これは簡単に言えば「EU域外からEUの消費者へ150ユーロ以下の通信販売をする場合、EUで発生する輸入VATを事前支払しておくことができますよ」という制度です。

IOSS制度が誕生した背景

以前EUでは「少額商品をEUに輸入する場合は輸入VATが免除される」という制度を悪用した脱税行為が横行していたため、2021年7月1日の改正より、すべての価格の商品に対してVATを課す事になりました。

しかしすべての商品にVATが課されることになると、受取人すべてに請求を行う訳ですから実務的な手間が急増します。そこで「IOSS制度」という、VAT事前支払をすることで現地での輸入手続きの手間を事前に省く制度が登場したのです。

商品の受取人にとっても、商品が到着する度にVATの支払をしないと荷物が止まるのであれば、ECサイトで事前に支払をしておいてスムーズに荷物受取をしたいでしょう。
「150ユーロ以下の荷物」という条件はありますが、VATの支払方法として便利な制度であることは間違いありません。

 

IOSS制度はあくまで選択制であり、EC事業者もECサイトの利用者も、利用するかどうかは必須ではありません。しかし日本のEC事業者に対して、EUの利用者から「VAT事前支払をしたい」というリクエストがあるかもしれません。

もし、日本のEC事業者がこの制度を利用して事前にVAT支払を行いたい場合、EU域内の仲介者(Intermediary)を介してIOSS番号の登録を行い、仲介者が代行的にEU加盟国の当局に税申告・支払を行うことになります。

ZenGroupのサービスでは、IOSS制度に完全対応しています!

ZenGroupでは、EUの仲介者を通じてVAT申告・支払を行う体制ができており、150ユーロ以下の荷物を発送する際、EUのサービス利用者様はVAT事前支払をするかどうか、選択することができるようになっています。

ぜひ弊社のサービス、サポートのご利用をご検討ください!

 

他の国でも・・・

実はEUのみならず、VATを事前支払することができる制度は、他の国にも存在します。

以下はその例です。

  • オーストラリアのGST事前徴収制度 2018年7月1日から開始
  • イギリスのVAT事前徴収制度 2021年1月1日から開始
  • シンガポールのGST事前徴収制度 2023年1月1日から開始

 

注1)GSTは財・サービス税(Goods and Services Tax)のことで、VATと同義。
注2)オーストラリアのGST事前徴収制度は選択制ではなく、オーストラリア向けに商品を販売するEC事業者の義務。

 

当然、ZenGroupのサービスでは、これらの制度にも対応しております!

 

これからの越境EC業界

今や、越境EC市場が急速拡大しているのは衆目の一致するところ。

『令和3年度電子商取引に関する市場調査』(経済産業省, 2022年8月発表)によると、2019年時点の世界の越境EC市場規模は7,800億USドルと推計されるのに対し、2026年にはそれが4兆8,200億USドルにまで拡大すると予測されています。

越境EC市場に大きな可能性があるのは間違いありません。

しかし、この世界的な動向に対し「すべての荷物にVATを課すと同時にVAT事前徴収制度を作る」という各国の動きもまた、世界的な潮流のように見えます。

 

今後も、新たな規制が次々と生まれる余地は大いにあります。

EC事業者にとって今後、国ごとの新ルールに対応していく体制をどう整えるかが、増々重要な課題になっていくでしょう。